【骨盤と股関節の関係】
今回は“女性ダンサー”にスポットを当ててみたいと思います。
ストリートダンサーたちのサポートを始めて何年も経ち、いろんな練習場やスタジオ、イベントなどに同行させてもらう様になりました。
現場で見るのがリアルな声を聞けるし、その状況を感じ取れます。
治療をするのに一番重要な情報となるのは間違いありません。
初めはブレイキンをやるダンサーが多かったのですが、徐々に他のジャンルのダンサーも増え始め、最近では女性ダンサーも多いです。
ロッキン、ポッピン、ハウス、ジャズ、ヒップホップ、ソウル、アフリカン、などなど、いろいろなジャンルの女性ダンサーに間違いなく言えるのが、
“女性ダンサーは男性より骨盤に負荷がかかりやすい”
と言う点。
男女の骨盤と股関節の位置
下の図をご覧下さい。
左が男性の骨盤で、右が女性の骨盤と股関節の位置を表した図です。
男性の方は骨盤が狭く逆三角形の様な形をしており、中心軸となる背骨から股関節までの距離が短いですね。
それに比べ、女性の方は台形をさかさまにした様な形で、背骨から股関節までの距離が遠いです。
と言うことは、中心軸から遠い分、股関節を振り回すのに、男性よりも遠心力が大きくなりやすいです。
足を素早く動かしたり、体ごとひねったり、またブレイキンの様に両足を振り回したり。
軸から遠い分、それだけ動かすのに力も必要なわけです。
その様な理由から、女性ダンサー全般において、殿部、つまり
“お尻の筋肉に疲労がまたりやすく、硬くなりやすい”
と言うことが共通してみられる特徴です。
これによって、お尻や股関節のまわりの痛みや動きの制限、腰痛などが起こりやすいわけです。
また、骨盤は人体の腕や脚、頭などのパーツの重心バランスの中心的な重心位置がある場所です。
そこに負担がかかれば、やはり背骨全体、首や肩にも影響が出ます。
ブレイクバトルのイベントなどでB-GIRLを見ていて気が付いたことですが、バトルが続いて疲労がたまってきたところを後ろから見ていますと、
“左右のお尻が動かなくなってくる”
のが分かります。
なんか重そうなんですね。
本人が気付いてない場合もありますが、身体的な特徴により、それはどの女性にでも起こる現象であると思います。
実際にバトルイベントなどの現場にて、バトルが続いて脚が疲れて重いと言うB-GIRLに、お尻周りの筋肉をほぐす様なストレッチやマッサージをすると、かなり軽くなり動きやすいのを実感してもらえる様です。
第三者が見ても、その動きの軽さは分かると思います。
バトルの合間の疲労を取るのにも、普段の練習で怪我をしないためにも、
“お尻の筋肉のストレッチ”
をたくさんやる様にして頂けたらと思います。
お尻の筋肉はすなわち股関節の筋肉。
左右の2つの股関節が骨盤を支え、骨盤は背骨を支えます。
股関節は、人体で最大の関節であり、大きな筋肉が集まるパワフルな部分です。
体の中心を支え、常に体重を支え、さらに歩行と言う移動手段の主役とも言えます。
そういったことを考えますと、男女に関係なく、股関節は重要ですね。