まず、木田の治療の基本的な方法について。

 

おおまかには、

 

●手技療法


●鍼灸

 

の2つを用いている。

 

 

詳しく言うと、

 

1、トリガーポイントやモーターポイント(反応点)


2、患部との関連部位(遠隔治療)


3、東洋医学(内科的アプローチ)

 

を柱としている。

 

以下に、上記の3つをさらに詳しく書いてみる。

 

まず、1のトリガーポイントやモーターポイント(以下、反応点と記す)について。

 

これは既知の治療技術ではあるが、自分の場合、ほとんど経験的に見つけてきたものばかりである。

 

 

自分が武道、格闘技、ストリートダンスなどで体中の様々な怪我を経験したため、自分の治療経験により、見つけたものが多い。

 

参考:ストリートダンス医療研究会HP・私の怪我の歴史↓↓↓
http://sdms.jimdo.com/ 代表者プロフィール/私の怪我の歴史/

 


鍼灸の師に治療してもらって見つけたり、自分で治療して見つけたり。

 

 

 

ただ、特徴的なのが、その反応点にもっともアプローチしやすい、

 

●治療肢位

 

にこだわっている。

 

これがなくては、治療の成果に雲泥の差が出る。

 

 

自分の場合、

 

・多くの自分自身の怪我で探しまくったこと、

 

・武道で学んだ関節技の知識が大いに役立ったこと、

 

などが成果を出せた要因と考えている。

 

 

これは筋肉や靱帯などの軟部組織にアプローチするのに不可欠なものである。

 

ちょっとした角度でその反応点は隠れ、
ちょっとした体位変換で患者は力んでしまう。

 

専門学校で習ったレベルでも、基本的なツボの取り方として言及されている。

 

 

例として”足三里”

 

仰臥位で膝を90度位に屈曲して取るとある。

 

その筋肉がもっとも脱力したり、

その反応点の周囲の筋肉が伸ばされ、

また、それらの筋肉の走行が変わるなどして、

 

反応点が浮き出てきて触りやすくなる、

 

と言う様なことだろう。




ある意味、武術は医学よりも詳細に人体を見ているところがある。

 

解剖学や運動学の教科書にのっている知識だけでは人体は把握できない。


知らなければいけない基礎ではあるが、それのみでは到底、実践では通用しない。

 

先ほども上げた、武術の関節技。

 

 

例えば、手首だけでも様々なバリエーションがあり、

そして相手を制すためであるから、手首を攻めると言えども、

手首だけでは相手のバランスを崩し、制することはできない。

 

 

そうなると、自ずと手首から肘、肩、

そして全身のバランスをコントロールしなければならない。

 

 

その様な考え方や技術が、

 

各関節の様々で複雑な動きを教えてくれ、

 

ある関節からそれに関連する筋群(協調筋・拮抗筋など)、

 

協調運動を起こす部位とその運動の方向性や流れ、

 

などのことを教えてくれているのである。

 

 

この考え方は“PNF”によく似ている。

 

 

関節技を極める時、また突きや蹴りなどの技を出す時も、

効率的に運動が流れていくラインが存在する。

 

日本や中国の武術ではよく言われることである。

 

 

自分の場合、それら武術の動きを自らの体で体感し、

 

それを解剖学・運動学など医学的な知識で咀嚼し、

 

さらにストリートダンスのアイソレーションと言う

身体の各パーツをバラバラに動かすトレーニング法で、

 

より明快にその運動を考えることができた。

 

 

 

自分も鍼灸師であるので分かることだが、特に鍼灸師に注意してほしいこと。

 

とりあえず、鍼を打てば、灸をすれば、なんとなく効いてしまう。

 

皮下組織に直接アプローチできるのは鍼以外にない。

 

外科手術を必要としないレベルの病症にも有効であり、

外科的手術では不可能な微細な刺激ができる。

 

そのため、正確に反応点をとらえなくても、

なんとなくの所に施術しても効いてしまうのだ。

 

 

だが、それに逃げてしまうと、技術はそれ以上は上がらず、

当然治せないものが増えてくる。

 

鍼灸師はある程度、鍼灸の経験を積んだら、

鍼灸を捨ててみるのもよいと思う。

 

鍼灸治療を続けながらも、鍼灸を使わないで

治療する環境や場を作っていくのもよいと思う。

 

とにかく“触り方”“ツボの出し方”が甘いと、

効果がまったく出ない場合があると言うこと。

 

同じ様に見えて人それぞれ状態は違うから、

手技そのものやアプローチする部位の肢位に関しても、

 

有効なバリエーションを多く知っていることで、

実践の場での対応力となると感じている。

 

 

基本的な一項目だけでかなり長くなってしまったので
この項目は一度しめたい。

 

 

そして次は、2、患部との関連部位(遠隔治療)をとばして、


3、東洋医学(内科的アプローチ)


について書いてみたいと思う。

 

治療するに当たって直接的なアプローチ法も重要だが、

治療のドーゼにもっとも注意したいからである。

 

 

内科的なアプローチ、すなわち”脈診”を主とした東洋医学的診断で、

できる限りその患者のその日、その時の体調を把握してからでないと、

 

“ドーゼオーバー”

 

つまり刺激過剰により、体調を悪くさせたり、

症状を悪化させるおそれがあるからだ。

 

それを未然に防ぐために、バイタルサインを把握する

ことは人の体に触れる者の義務と考える。

 

次回は、そうした東洋医学的診断を実際に

どの様に使っているかに触れてみたい。